ごあいさつ
「平和」そして「老い」とは何か。義母 市本百合枝 (1927-2014) は生涯を通してこの難問に向き合い、 彼女自身の行動で、その答えを見出してきた。
夢を抱き、逆境の中であっても挑戦し続ける者にチャンスが必ず訪れるという事、 対して、夢を諦め、自らの手で成長を止める事、 百合枝はそれぞれを「平和」「老い」と定義したに違いない。
夫隆幸と共に 75 歳で念願の美術学校へ、しかも中国への留学を果たした者に、 誰が「老い」ていると言えるだろうか。 また多くの方々に支えられ、永年の夢を実現できたこの世の中を、 「平和」と称して誰が否定できるだろうか。
百合枝の描いた絵画らに込められた魂のメッセージを通して、 「平和」そして「老い」の意味を考える機会にして頂ければ幸いである。
ギャラリーオーナー 七角 好一